青色事業専従者給与の金額の適正額とは?
- 2016/10/07
- 税務

青色事業専従者の給与について争われた裁決事例をご紹介します。
この事例は、税理士が妻に対して支払っていた青色事業専従者給与(前年分で1,000万円)が高すぎるとして、国税不服審判所で争った事例です。
先に結論からお伝えすると、適正給与額を超える部分については、過大であるものとして否認されています。
1.税務署側の主張
税務署側は、妻に対する給与の適正額の計算方法として、次の2通りを提示しました
➀ 原処分採用給与比準方式
他の使用人の給料から適正額を計算する計算方法です。その仕事の内容、労働時間などを考慮した上で相
当額を計算します。
② 類似同業専従者給与比準方式
類似規模の同業他社の給与の平均額と比較して適正額を計算する方法です。
これら2つの計算方法のいずれにおいても、その給与は高いというのが税務署の主張です。
2.納税者側の主張
これに対し納税者は次のことを理由に、上記の主張を否定しました。
・妻は副所長として管理職にあること
・30年の経験をもつ、ベテランであること
・労働時間は他のどの職員よりも多いということ
3.不服審判所の判断
不服審判所は、使用人給与比準方式及び類似同業専従者給与比準方式のいずれの方法により計算した適正額を超えていることから、その超えている部分については否認するとの判断を下しています。
その計算にあたっては、次の点を考慮しています。
➀ 妻の労務の性質
② 妻の労務の提供の程度
➀の労務の性質については、妻は税理士の資格を保有しないことから、妻の労務は税理士補助業務であり、他の使用人と大差ないとの判断がされました。
②の労務の提供の程度については、パソコンのログの記録から総使用時間を計算しての判断となりました。
その結果、適正額は、他の使用人の給料 × 労働時間倍率 として計算すべきと判断され、適正額を超えた部分については、否認されることになりました。
この裁決事例のポイントは、親族ではない場合においても同じ給与を支給するといえるかどうかです。親族への給与は、お手盛りとなるケースも多く争点となりやすいテーマです。
今回のように、実際に業務を行っていたとしても争点となります。そのため、親族への給与については、特に慎重に判断する必要があります。