通勤手当の非課税枠拡大 ~適用開始時期と還付方法~
- 2016/05/17
- 税務
通勤手当の非課税枠拡大
平成28年度の税制改正により、通勤手当の非課税限度額の上限額が10万円から15万円に引き上げられました。
この改正は、平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されます。
平成28年1月~3月分の訴求計算による還付
平成28年1月~3月に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定により所得税等の源泉徴収が行われていますが、改正後の非課税規定を遡及適用することになります。そして遡及適用した場合には、源泉徴収した税額が過大になる場合があります。
この場合については、本年の年末調整の際に精算することになります。
※ 年の中途に退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになるので、注意が必要です。
平成28年4月以降の誤計算による還付
平成28年4月以降も経理システムの導入が間に合わなかったなどの理由により、通勤手当を改正前の非課税限度枠により計算してしまう場合もあります。
その際は、前述したように本年の年末調整により精算を行うのではなく、改正前の非課税限度額による源泉徴収を行った後速やかに誤納還付請求を行うことで,改正後の非課税限度額を適用した場合の差額の還付を受けることができます。
源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の還付請求は、その提出時期が特に定められているわけではありませんが、納付した日から5年間の間に提出しないと、時効により請求権が消滅します。
このように、改正後の非課税限度額による計算と改正前の非課税限度額による計算との差額については,時期によって精算方法が異なるため,支払った通勤手当がどの期間に対応するものなのかを確認してみてはいかがでしょうか。