社用車の自賠責保険と任意保険

社用車の自賠責保険と任意保険

会社の業務に欠かせない社用車ですが、自動車の利用にはさまざまなリスクがつきものです。

そこで、会社に対するリスク軽減のためにも、自動車保険に加入していることと思います。

 

自動車保険を大別すると、「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。

 

自賠責保険は、「自動車損害賠償保障法」によって加入が義務付けられている保険で、所有する自動車ごとに加入しなければなりません。

 

いわゆる、「強制保険」と呼ばれるものです。

 

車検を通す際には次回の検査まで有効な自賠責に入っていないと検査を通すことができません。

したがって、保険の期間については、次の検査まで有効なものに加入する必要があります。

自家用車等の場合、通常、保険期間は3年、その後2年ごとに更新することになっています。

 

一方、任意保険はその名の通り、強制保険である自賠責保険と異なり、任意に加入する保険です。

自賠責保険ではカバーしきれない損害を補償するための保険となります。

 

会社が支払うこの2種類の保険料については、会計や税金を考えるうえで把握しておかなければならない注意点があります。

 

同じ自動車保険であっても取り扱いが異なるので、確認しておきましょう。

 

会社の税金を考えるにあたり支払う経費は、当期のものは当期に、来期以降のものは来期以降にと、原則的には期間按分が必要となります。

 

自動車保険も同じで、その保険料は、原則的として期間按分が必要となります。

 

しかし、「自賠責保険」の場合には、法律上強制加入であるということを考慮して、実務的には期間按分せずに、その支払った時の損金(経費)とすることが認められています。

 

また、任意保険の場合には、強制ではなく任意加入ですから、原則に立ち戻って期間按分するということになります。

 

そのうえで、次に該当するときは、その支払った時の損金(経費)とすることが認められています。

 

短期前払費用として損金算入ができる場合

法人が、前払費用の額で、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、その支払時点で損金の額に算入することが認められます。

(法基通2214)