災害等を受けられた方への税務上の規程
- 2016/05/02
- 税務
この度の、「平成28年熊本地震」において、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、 被災者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
被災地においては一日も早い復旧と、皆さまのご無事を、お祈り申し上げます。
災害にあった場合の税制上の取扱い
地震などの災害にあった場合の税制上の措置は次のようなものがあります。
申告・納付等の期限の延長
申告、納付等の期限の延長については、災害などの理由により、国税に関する申告・納付等をその期限までにすることができないと認められる場合には、所轄の税務署長等は、その理由のやんだ日から2か月以内に限り、申告・納付等の期限を延長することができるとされています(国税通則法第11条)。
これには、地域指定による場合と個別指定による場合とがあります。
地域指定の場合
災害による被害が広い地域に及ぶ場合は、国税庁長官が延長する地域と期日を定めて告示しますので、その告示の期日までに申告・納付などをすればよいことになります。
個別指定の場合
所轄税務署長に申告・納付などの期限の延長を申請し、その承認を受けることになります。
熊本地震災害における地域指定による期限延長については、平成28年4月22日付で熊本県を指定して行われており、その期限が平成28年4月14日以降に到来する申告、納付などについて、その期限を延長することとされています(平成28年国税庁告示第9号)。
したがいまして、地域指定された地域に納税地がある個人又は法人にあっては、地域指定によって、特段の手続きを経ることなく、自動的に申告・納付の期限が延長されています。また、その指定された期日(現時点ではこの期日は指定されていません。)までに申告すればよいことになります。
所得税の全部又は一部の軽減
所得税の全部又は一部の軽減については、災害により、住宅や家財などに被害を受けたときは、①所得税法に定める雑損控除の方法、②災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(以下「災害減免法」といいます。)に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法で、所得税の全部又は一部の軽減を受けられる場合があります(所得税法第72条、災害減免法第2条)。
相続税・贈与税の免除又は軽減
相続又は贈与により取得した財産について、災害により被害を受けたときは、相続税・贈与税の免除又は軽減を受けられる場合があります(災害減免法第4条、第6条)。
納税の猶予
納税の猶予については、災害により、財産に相当の損失を受けた納税者や国税を一時に納付することが困難な納税者について、税務署長に申請し、その承認を受けることにより、原則として1年以内の期間に限り、国税の全部又は一部についての納税の猶予を受けることができます(国税通則法第46条)。