消費税増税と資金繰りの落とし穴

消費税増税と資金繰りの落とし穴

経営者の悩みごととして必ずあげられるのが日々の資金繰りです。いつどこから入金予定なのか、いつどこへ支払予定なのかということは当然のようにご存じだと思います。

税金の支払いもその一部です。黒字企業であれば確定申告の際に、法人税等の支払いが必要ということもご存じだと思います。

それでは消費税についてはいかがでしょうか?

 

20144月から消費税が5%から8%へ引上げられました。

消費税の課税事業者となっている企業は、簡単にいえば預かった消費税と支払った消費税の差額を税務署に納税する仕組みになっています。

消費税が5%から8%に上がるということは従来と比較しても1.6倍の消費税の預り分がいったん会社の預金口座に入金されます。

これは将来納めるべき消費税の一部であることを認識しているでしょうか?

 

その認識がないまま、1度口座に入ったお金を儲けたお金のように使ってしまうと、いざ消費税を納税する段階になった時に、従来考えていたよりも多額の納税があることに気が付き、資金繰りに追われることになります。

 

現時点で20174月に消費税が8%から10%に増税されることが決まっています。

つまり、5%から8%になったときのように、消費税の預り分が従来より大きくなるタイミングがやってきます。

ですから、事前にその影響を試算し、予め納税資金を積み立てるなど対策を考えている会社と、そうでない会社の明暗が分かれることになるのです。

消費税について税抜経理を行っていれば、仮受消費税と仮払消費税の差額がおおよその納税額になります。毎月月次決算を行いその差額分をあらかじめ確保しておくといった具体的な対策が必要になると考えられます。