普段の行いはピンチを救う ~源泉所得税の納付忘れ~

普段の行いはピンチを救う ~源泉所得税の納付忘れ~

源泉所得税の納付期限

事業主が給料の支払いや報酬の支払いの際に源泉徴収した所得税額は、原則として支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。

ただし、常時使用する従業員が9人以下である事業主については、納期の特例があります。この特例を受けるため、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出すれば、原則として提出した月の翌月に支払う給与等から特例が適用されます。

特例の適用を受けた事業者は、その納期が次のようになります。

  • 1月~6月までの支払い分:    710
  • 7月~12月までの支払い分:  翌年120

 ※納付期限が土日祝の場合は、その休日明けの日が納付期限になります。

 

納付期限に納付できなかった場合

納付期限までに、源泉所得税を完納できなかった場合には、その納付額に応じて不納付加算税が徴収されることになります。

  • 税務署からの納税の告知を受けた場合・・・納付税額の10
  • 自主的に納付した場合・・・納付税額の5

ただし、計算した結果加算税の額が5,000円未満である場合は、加算税が徴収されません。

 

一年以内に納付漏れがなければ、加算税を免除

国税通則法では、上記のように納付期限までに完納されなかった場合には不納付加算税を徴収すると定めていますが、その但し書きにおいて、「法定納期限までに納付する意思があつたと認められ…かつ、当該納付に係る源泉徴収による国税が法定納期限から一月を経過する日までに納付されたものであるときは、適用しない。」と規定しています。

つまり、誤って納付が遅れてしまいましたが、納付の意志はありました。ですので、1月以内に納付しています。という場合には、加算税を免除しますというものです。

ここでいう、納付する意思があったと認められる場合について、国税通則法施行令では、次のように定められています。

「納付に係る法定納期限の属する月の前月の末日から起算して一年前の日までの間に法定納期限が到来する源泉徴収による国税について、次の各号のいずれにも該当する場合とする。」

一  納税の告知を受けたことがない場合

二  法定納期限後に納付された事実がない場合

 

このように、例えミスをしてしまった場合でも普段からきちんとした処理を心掛けていると、救済されることがあります。

自身を守るためにも、きちんとした処理を日々心掛けたいものです。