手形を使った資金調達｜ネクステージ松永会計事務所

約束手形はその支払期日が定められており、受け取った約束手形はその支払期日が来なければ、現金に換えることができません。

しかし、資金繰りなどの都合により期日よりも前に現金が必要な場合があります。そんな時に期日前の約束手形を資金化する方法として手形割引があります。

また、反対に自社で約束手形を発行しその手形を担保に銀行から融資を受ける手形貸付という方法もあります。

手形割引とは、受取手形を持っている人がその手形を銀行に買い取ってもらうことにより、手形を資金化する方法です。

ただし、手形割引をする日から手形の受取期日までの間の利息相当額を額面金額から差し引かれることになりますので、全額を資金化できるというわけではありません。

さらに、割引した手形が不渡りになった場合には、その手形を買い戻す義務もありますので、手形割引の申し込みの際には、銀行から審査を受けることになります。

審査をクリアし信用力が認められれば一定の枠内で割引枠が設定され、その枠内で自由に割引くことができます。

手形貸付により受けることが出来る融資の額は発行した手形の額から金利分を差し引いた金額になります。

手形貸付を行うにも返済能力があるかどうかの審査を受けることになりますが、認められれば、迅速に資金調達ができる手段となりますので、企業にとって資金繰りの手段の１つとなります。

ただし、その返済の見込みを確実にしておきたいという理由から資金使途については、明確にする必要があります。

このように、他者から振り出された約束手形や自社で振り出した約束手形については、それぞれ資金調達の方法があります。

企業によって利用しやすさは様々ですが、資金調達の手段の１つとして選択肢に含めておくのがよいでしょう。