在庫の消費税はどうなる?(免税事業者から課税事業者になった場合)
- 2016/09/13
- 税務
次の3つに該当する事業者の消費税の計算については、特に注意が必要です。
- 新たに消費税の課税事業者となる
- 簡易課税での申告ではない
- 前年より繰り越してきた在庫がある
消費税は、基準期間(個人の場合には前々年、法人の場合には前々事業年度)の課税売上高などによって、消費税の課税事業者となるか、納税義務がない免税事業者となるかを判定します。
SOHOなど比較的小規模な事業者の中には、1千万円前後で毎年売上が変動するような方がいらっしゃいます。
そうすると、ある年では課税事業者になったり、ある年では免税事業者になったりと、課税関係が変化する場合があります。
このように基準期間の課税売上高が1千万円を超えるなどして、免税事業者から新たに消費税の課税事業者になったような場合における消費税の計算は、次の点を考慮しなければなりません。
事業者が納める消費税は、「預かった消費税」から「支払った消費税」を控除して求めます。そしてそれに加えて、免税事業者から課税事業者となった場合には、免税事業者の期間中に支払った棚卸資産に係る消費税は、課税事業者となった課税期間に課税仕入として計算に入れて、預かった消費税から控除することになっています。
期首商品棚卸高は、会計処理で売上原価に振り替えられますので、課税仕入が発生しません。
よって、消費税の申告をするにあたって別途計算してあげないといけませんので忘れないようにしてください。
また、これとは逆に、今年が課税事業者で来年が免税事業者となる場合で、来年に繰り越す在庫があるときは、その在庫に係る消費税額は、今年の課税仕入れには含みませんのでここも注意が必要です。