借入金と月商の関係
- 2016/01/18
- 経営
借入金の目安は、月商の何ヵ月分まで?
金融機関の方がよく、月商に対して借入金がいくらあるかを話のネタにすることが多いせいか、経営者の方には、「月商の○○ヵ月分が目安ですよ。」とお伝えした方がわかってもらいやすいです。直感的に把握できるからでしょうか。
ただ、一般的に言われる数字は利益率や業種を考慮していないので、あくまで目安といったところでしょうか。
借 入 金 |
判 定 |
月商の2、3ヵ月程度 |
安 全 |
月商の4ヵ月超 |
要 注 意 |
月商の6ヵ月超 |
危 険 |
一般的にはこんな感じです。もちろん設備投資が大きな業界では、当然この数字も大きくなります。
話を簡単にするために、例えば利益率が10%で利息を全く考慮しないで考えるとしたら、
利益率10%は、売上の1/10 だから、これをもって借入金(=売上の3ヵ月)に充てるわけですから、
3ヵ月分 ÷ 1/10 = 30ヵ月 (2年6ヵ月)
6ヵ月分 ÷ 1/10 = 60ヵ月 (5年)
つまり、これが返済期間になるのです。
「意外に短期間で返せるじゃないか。」って思ってらっしゃる方もいると思いますが、この例はあくまでも利益率10%での試算ですから、実際の利益率が10%も計上されているような優良企業は少ないでしょうから、現実はもっと返済期間は長くなります。
だから、一般論での数字はあくまでも目安でしかありません。
その点では、同業他社との比較には利用しやすい数字とも言えるでしょう。
そもそも借入金の返済原資は、売上金額そのものではなく会社内部に残った利益(キャッシュフロー)ですから、どんなに売上が多くても利益が少なければそれだけ返せる借入金も減ってしまうのです。
つまり、売上じゃなく利益、商売そのものついて考えるには「粗利益」との関係が重要です。