中小企業倒産防止共済制度で節税と資金調達を
- 2016/03/25
- 経営
中小企業倒産防止共済とは
独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する中小企業倒産防止共済は、取引先が倒産することによる中小企業のリスクを回避するための共済制度です。
その加入要件は一定の会社又は個人の中小企業者で「資本金等及び従業員数」により判断されます。
この制度には、4つの大きなメリットがあります。
- 最高8,000万円の共済金の貸付が受けられます。
- 共済金の貸付は無担保・無保証人です。
- 掛金の全額が税法上損金又は事業経費として認められます。
- 臨時に必要な事業資金の貸付が受けられます。
決算時期ギリギリでも役立つ節税
掛金は月額5千円から20万円までの範囲の中で自由に選択することが可能で、総額が800万円になるまで積立てが可能です。
掛金はその全額が税金の計算上経費になり、さらには1年間の前納も可能なため加入初年度には最大20万円×24か月=480万円を経費にすることが可能です。
また、中小企業倒産防止共済の掛金は掛け捨てではなく、掛金納付期間に応じて解約手当金が支払われます。その手当率は40か月分納付時において100%となり、それが最大となります。
この解約手当金については、税法上益金又は事業収入になりますので、赤字となる事業年度で解約すると節税効果が高くなります。
貸付制度の利用
貸付制度には、「共済金の貸付」と「一時貸付金制度」があり、共済金の貸付けは無担保・無保証人で、倒産した取引先事業者との取引内容等を記載した一定の書類を添付し申請すると「回収困難となった売掛金債権等の額」と「掛金総額の10倍に相当する額(最高8,000万円)」のいずれか少ない額の融資を受けることが出来ます。
また、一時貸付金制度は、取引先が倒産していなくても、臨時に事業資金が必要となった場合、融資を受けることができます。
このように中小企業倒産防止共済制度は、節税・リスクマネジメント・資金調達の面から有効な制度なので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。