レシートでは必要経費にならない?
- 2016/10/12
- 税務
よく頂くご質問に「領収書がなく、レシートだけでは必要経費になりませんか?」というものがあります。
このご質問には、「条件を満たす場合と満たさない場合があるので、内容を確認して判断することになります」とお答えしています。
その根拠について、まず所得税法では、「帳簿書類の保存」について所得税法施行規則63条に次のように定められています。
「取引に関して相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し」
ここには、領収書という記載があるのみでその内容については、詳しく記載されていません。
しかし、消費税法30条にその記載内容について詳しく記載されています。
イ 書類の作成者の氏名又は名称
ロ 課税資産の譲渡等を行った年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につきまと
めて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ハ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ 課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある
場合には、当該相当する額を含む。)
ホ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
わかりやすく言うと、「書類の作成者」「年月日」「その内容」「その金額」「書類を受け取る者の氏名又は名称」という5つの項目が記載されている事が必要となるのです。
このことから、レシートであってもこれらの項目が全て記載されていれば問題ないと判断することができます。
反対に、例え領収書であっても、宛名に記載のないものやその内容が記載されていないものについては、この条件を満たさないことになります。宛名が上様となっているものも同様です。必ずしもその経費が否認されるというわけではありませんが、疑義が生じる可能性がありますので注意が必要です。
領収書やレシートをもとに必要経費を計上する場合には、このことをふまえて判断されることをおすすめします。