アパート一括借上の場合の消費税

アパート一括借上の場合の消費税

最近受けた質問をご紹介します。

法人A社が、所有するアパートの一括借上契約を不動産管理会社との間に結びました。不動産管理会社は、一般の方に居住用として貸付けます。この場合、A社が不動産管理会社から受取る賃貸収入の消費税はどうなりますか?というものです。

 

住宅の貸付け

まず、不動産管理会社が一般の方から受取る家賃収入については、消費税は非課税となります。

これは、住宅の貸付けが非課税とされているからです。ただし、次の条件があります。

 ➀ その貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限ります。

 ② 次に該当する場合は住宅の貸付けから除かれます。

    A 貸付期間が1月未満の場合

    B 旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合

    (注) 例えば、旅館、ホテル、リゾートマンション、ウイークリーマンション等が該当します。

 

一括借上げの場合

それでは、不動産管理会社に一括で貸付けた場合はどうなるのでしょうか?

不動産管理会社が居住するわけではないというところが、少し気になるところです。

 

この場合の取扱いについては、消費税法基本通達で次のように定められています。

 

消費税法基本通達6137

住宅用の建物を賃貸する場合において、賃借人が自ら使用しない場合であっても、当該賃貸借に係る契約において、賃借人が住宅として転貸することが契約書その他において明らかな場合には、当該住宅用の建物の貸付けは、住宅の貸付けに含まれるのであるから留意する。

() この場合において、賃借人が行う住宅の転貸も住宅の貸付けに該当する。

 

ポイントは「当該賃貸借に係る契約において、賃借人が住宅として転貸することが契約書その他において明らかな場合」です。

契約書にこのように明示してあれば、不動産管理会社から受取る賃料については、住宅の貸付に該当し非課税となります。反対に明示してなければ課税として取り扱われる場合も考えられます。

契約書を交わす場合には、この点をきちんと確認しておきましょう。