まずは粗利益を稼ぐことを考える
- 2016/09/12
- 経営
粗利益とは、売上高から、その売上を上げるために直接要した経費、つまり仕入などの売上原価を差し引いた利益です。
損益計算書では売上総利益と表示されています。
【算式】 売上高 - 売上原価 = 粗利益(売上総利益ともいう。)
粗利益は、企業活動の原資となるものですから、粗利益をいくら稼ぐかは、企業経営にとってとても重要なことなのです。
会社で働いている役員・従業員の人件費、事務所・工場の地代家賃、その他会社経営に必要なすべての費用は、この粗利益を原資としています。
ですから、売上を上げることはもちろん重要なことですが、それ以上に粗利益を稼ぐことは重要になります。
経営分析の指標に、粗利率(売上総利益率)というものがあります。
粗利率(売上総利益率)は、売上高に対する売上総利益の割合を示した指標です。
粗利益(売上総利益)は、商品力によって稼いだ利益と考えられるので、この比率が高ければ高いほどその会社の市場における競争力の高さを示していますから、高ければ高いほど良いとされています。
しかし、粗利率の低い商品をたくさん販売することで粗利益の絶対額を増やすという戦略も考えられますので、企業の戦略によって違いは出てくるでしょう。
粗利率(売上総利益率)を同業他社と比べると自社の市場での競争率がわかりますので、この比率をできるだけ高くしようと考えることは必要ですが、中小企業においては、「率」にこだわりすぎるよりもまず「額」、つまり粗利益額にこだわった経営をするべきだと思います。