「キャッシュの最大化」を目指す

「キャッシュの最大化」を目指す

資金繰りは、よく人間にとっての「血液の循環」に例えられます。

本当にその通りだと思います。

人は、血液の循環がなくなれば、死んでしまいます。

会社も同じで、資金繰りが悪くなれば事業の継続が危ぶまれます。

 

つまり、「キャッシュ」がなくなれば、会社は倒産してしまいます。

 

世の中には、赤字であっても倒産せずに存続している会社がたくさんあります。

大手企業でさえ赤字になることもあります。

それでも、倒産せずに存続しています。

 

逆に、黒字であっても「キャッシュ」がなくて倒産する会社もあります。

いわゆる「黒字倒産」といわれるものです。

 

黒字だから大丈夫という損益重視の視点だけでは、会社経営は続かないということです。

会社に「キャッシュ」がある限り、会社は倒産しません。

 

会社を継続させるためには「キャッシュの最大化」を目指すという視点に立たなければなりません。

 

と、ここまではその通りとなるのですが、「では、キャッシュを最大化する対策は?」となると。

 

デフレ状態では、会社も個人も無意識に支出を抑えます。

このことが、会社の売上高に大きな影響を与え、「キャッシュの最大化」を達成しにくくしています。

 

このとき会計を読み解く力があれば解決の糸口が見つかるかもしれません。

 

経営者の中には、簿記は苦手という方が多いと思います。

もちろん簿記を勉強することが経営者の仕事ではありません。

経理の仕事は従業員に任せ、出来上がった数字をチェックし、問題点を抽出し、その対策を練ることに専念すべきです。

 

会計理論上では、「資産」「負債」「純資産」と「収益」「費用」とがあります。

そして、それらが「貸借対照表」と「損益計算書」を構成しています。

 

「キャッシュ(現金)」は、このうち「資産」の部に含まれます。

 

キャッシュを最大化するため、売上を上げる対策をとれば、売上高という「収益」が増加し、それに伴って現金や売掛金などの「資産」が増加します。

 

また、他の対策として簡単に思いつくのは、借入です。

この場合、借入金という「負債」が増加し、それに伴い現金・預金といった「資産」が増加します。

 

「資産」を増加させるためには、増資をする(純資産が増加)ことや、費用を抑えることでも達成できます。

 

また、「資産」の中身を組み替えることでも「キャッシュ」を増加せることは可能です。

保有する固定資産を売却して現金化するなどがこれに該当します。

 

このように会計を読み解く力があれば、どこに手を打てば「キャッシュを最大化する」ことができるかがわかります。

 

基本的には「収益」を上げることが前提となりますが、会社の状況によっては他の選択肢が必要かもしれません。

 

ぜひ会計を読み説く力を身に着けて、キャッシュフロー経営に転換していってください。