地方税。事業所の要件に注意しましょう。
- 2016/10/20
- 税務
法人税や消費税のような国税は、申告納付先が国となるので、事業所が複数あっても申告納付先は1か所となります。
その一方、都道府県や市町村を申告納付の単位とする法人住民税や法人事業税等のいわゆる地方税は、その都道府県や市町村に事業所が存在すれば、それぞれの場所に納税する必要があります。
法人を運営するにあたって、社長の自宅を本店とし、実際の事業所が別に設けられていることがあります。
このようなケースでは、社長の自宅の所在地と実際の事業所の2か所で地方税が発生すると考えられます。
しかし、登記されている社長の自宅が単に登記上の本店であり、事業活動を行っていなければ、地方税における事業所とならないため、納税義務は発生しないことになります。
もし、事業所の判断に誤りがあれば、是正することも可能ですので、事業所に該当する要件を確認しておきましょう。
地方税の納税義務が生じる事業所は、人的設備・物的設備・事業の継続性の3つの要件を満たしていることが要件となります。
人的設備とは事業活動に従事する役員・従業員・パート・アルバイトなどいいます。
物的設備とは事業が行なわれるために必要な土地、建物、その他の設備などをいいます。
事業の継続性については、2~3か月程度の建設現場の事務所など一時的な事業は除かれます。
また、そこで事業が行われていれば、直接的な収益や所得が発生していなくても事業所に該当します。感覚的に事務所ではないと判断するのではなく、上記要件を満たしていないかどうかを判断する必要があります。