車は中古車を買いなさい!?
- 2016/10/06
- 税務
書籍のタイトルにありそうな本日のタイトル、いったいどういう意味でしょうか?
社用車を購入したいとのご相談を頂いた際に、その選択肢に中古車も含めてご検討頂くことをおすすめする場合があります。
それは、中古車を選択する場合の主なメリットとして、次の2つが考えられるからです。
1.新車を購入した場合と比較して早期に費用化することができます。
2.リセールバリューが高いです。
自動車を購入した場合には、原則として資産として計上します。そして、減価償却費としてその耐用年数の期間に応じて費用化する事になります。(特例を適用する場合を除きます。詳しくは→「30万円未満のモノを一括経費に」)
普通自動車の場合、新車であれば法人税法上の法定耐用年数は6年です。そして法定償却方法である定率法の償却率は0.333です。
例えば、購入金額が500万円の自動車の場合、初年度の減価償却費は、
5,000,000円 × 0.333 = 1,665,000円 です。
12ヶ月間使用した場合がこの金額となりますので、使用期間が短ければ月割計算を行うことになります。
一方、中古車の場合、その耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。
また、使用可能期間の見積りが困難であるときは、次の簡便法により算定した年数によることができます。
(1) 法定耐用年数の全部を経過した資産
その法定耐用年数の20%に相当する年数
(2) 法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数
なお、これらの計算により算出した年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨て、その年数が2
年に満たない場合には2年とします。
この簡便法を採用した場合、4年落ち以上の中古車であれば、その耐用年数は2年となり、その償却率は1.000となります。
この償却率1.000というのは、初年度に購入価格の全額を費用化することを意味します。
(ただし期の途中で購入した場合には、月割となります)
このように、中古車で購入した場合には、新車で購入した場合と比較して早期に費用化することができるのです。
また、自動車の場合、新車が中古車になると、その値段が大きく下がります。
そのため、新車と中古車を同じ値段で購入し同じ年数使用したとしても、購入価格から売却価格への下落額は、一般的には新車で購入した場合の方が大きくなります。
自動車は、市場性が高く換金性の高い資産です。いざまさかの時の資金調達方法の一つでもありますので、そのリセールバリューは無視できません。
このように、社用車の購入にあたっては、中古車を購入することにもメリットがあります。
購入の際には、その選択肢に含めて検討されることをおすすめします。